企業

TOTOの平均年収781万円|高卒・初任給・子会社の年収は?

TOTOの平均年収781万円と、営業利益の54%をセラミック事業が稼いでいることを示したアイキャッチ画像
コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

TOTOの平均年間給与は、2026年3月期の有価証券報告書(有報)で7,812,740円(前年比3.4%増)です。5年前(2021年3月期)の6,699,766円から約111万円(+16.6%)上がっています(編集部の算出)。

ただし、この金額はグループ全体の平均ではなく、提出会社(TOTO株式会社)の就業人員7,758人が対象です。連結の従業員30,324人の25.6%にあたります(編集部の算出)。高卒・役職別・子会社の年収は有報に記載が見当たらず、初任給はTOTOの新卒採用ページに載っています。

もう1つ、年収を調べるなら見ておきたい事実があります。この会社の営業利益の54%は、売上のわずか9%しかないセラミック事業が稼いでいます。

結論|年収は上がり続けている。ただし会社の中身が変わった

評価項目 判定 根拠(2026年3月期)
年収水準 上昇 平均781万2,740円(前年比+3.4%)。5年で約+111万円(編集部の算出)。同業他社との比較はこの記事では行わない
年収の対象 △ 781万円の対象は提出会社の就業人員7,758人。連結30,324人の25.6%(編集部の算出)
財務の安全性 ◎ 自己資本比率63.8%。5期を通じて62〜64%で安定
直近の業績 ◎ 経常利益607億円(前期比+20.5%)・純利益403億円
雇用の推移 △ 連結従業員は4年で4,290名減(34,614→30,324名)
事業の偏り △ 売上9%のセラミック事業が営業利益の54%を稼ぐ
主力事業の勢い △ グローバル住設事業は営業利益-9.7%の減益(うち日本住設事業は-7.5%)

向いている人:半導体向けセラミックの領域に関われる人、安定した財務基盤の中で長く働きたい人。
慎重に考えたい人:配属先を選べない前提で入る人。同じ会社でも事業によって置かれる状況がまったく違います。

この記事の調査条件

数値は、TOTOが提出した有価証券報告書の原本(PDF)から抽出しています。口コミサイトの推定年収や年収ランキングサイトの数値は根拠に使っていません。有報に載っていない初任給などは、TOTO自身の採用ページに載っている内容に限って使います。

  • 対象:第160期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月16日提出/EDINET書類管理番号 S100YC72)、および同書に記載された第156期(2022年3月期)以降の5期推移
  • 抽出箇所(頁は有報のノンブル):「第1 企業の概況」の主要な経営指標等の推移(2〜3頁)・関係会社の状況(8〜9頁)、「第2 事業の状況」の事業等のリスク(26頁)・経営者による分析(29〜31頁)、「第4 提出会社の状況」の「5 従業員の状況等」(86〜90頁)、「第5 経理の状況」の連結損益計算書(94頁)と注記(108〜109頁)
  • 確認日:年収の推移・セグメント別の営業利益・業績の数値は2026年9月1日。従業員数、セグメント別の従業員数、関係会社の状況、管理職の女性比率などの表、連結損益計算書とその注記、事業等のリスクは、2026年10月23日に原本の記載を確認
  • 年収の推移のうち、2021年3月期〜2025年3月期の行は、第155期〜第159期の有報の「提出会社の状況」の値です(書類管理番号と提出日は参考・出典。2026年10月23日に各期の有報で照合)。2026年3月期は第160期の有報で直接確認
  • 初任給・賞与の回数・福利厚生:TOTO新卒採用ページ(営業・企画職、2027年度入社向けの募集要項)。中途採用の求人ページはキャリア採用の1件(財務・経理スタッフ)。いずれも2026年10月23日に確認

この記事は、会社を投資の対象としては評価しません。当サイトは転職メディアであり、投資助言の専門性も登録も持たないためです。

判定の手順そのものは開示された平均年収を、そのままは信じないための手順にまとめています。

TOTOの平均年収781万円と、営業利益の54%をセラミック事業が稼いでいることを示したアイキャッチ画像

平均年収は781万2,740円|有報の実額

有価証券報告書には、金額が1円単位で載っています。丸めた推定値ではありません。

当事業年度における提出会社の従業員の平均年間給与は7,812,740円(対前年比3.4%増加)となりました。

提出会社(TOTO単体)の従業員データは次のとおりです。

項目 2026年3月31日現在
従業員数(就業人員) 7,758人
平均年齢 45.2歳
平均勤続年数 18.9年
平均年間給与 7,812,740円
前年比 +3.4%

※平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます(有価証券報告書の注記)。

平均年齢が45.2歳であることは必ずセットで見てください。 この781万円は、平均年齢45.2歳・平均勤続18.9年の集団の平均で、賞与と基準外賃金を含みます。20代・30代の年収は有報に載っておらず、若い人の実感との差は有報からは確かめられません。

781万円の対象は提出会社の7,758人|子会社の年収は有報にない

781万円は、TOTOグループ全体の平均ではありません。有報の「提出会社」=TOTO株式会社の就業人員7,758人の表に載っている数字です。

有報の注記によると、この人数は就業人員で、子会社等への出向従業員(1,498人)を除き、子会社からの出向従業員(407人)を含めています。連結(提出会社に子会社を足したグループ全体)の従業員数は30,324人で、7,758人はその25.6%です(編集部の算出)。

事業ごとの人数を、有報の連結の表と提出会社の表から並べます。

事業(有報のセグメント) 連結 提出会社 提出会社の割合
日本住設事業 14,552人 6,650人 45.7%
米州事業 1,505人 173人 11.5%
アジア・オセアニア事業 9,187人 236人 2.6%
欧州事業 121人 14人 11.6%
中国大陸事業 3,985人 175人 4.4%
セラミック事業 880人 416人 47.3%
その他 94人 94人 100.0%
合計 30,324人 7,758人 25.6%

※2026年3月31日現在。連結の表も就業人員です(有報の注記)。割合は編集部の算出。

日本住設事業は連結14,552人のうち6,650人が、セラミック事業は880人のうち416人が、提出会社の人数です。一方、米州・アジア・オセアニア・欧州・中国大陸の4事業は、連結14,798人のうち提出会社の人数は598人(4.0%)です(編集部の算出)。

連結の人数から7,758人を引くと22,566人です(編集部の算出)。出向者の扱いが連結の表と提出会社の表で同じかは有報に説明がないため、目安として読んでください。有報に、子会社ごとの平均年間給与の記載は見当たりません。781万円を、子会社の社員の年収として読むことはできません。

有報の「関係会社の状況」(8〜9頁)には、国内の連結子会社として次の14社が載っています。議決権の所有割合は、いずれも100%です。

TOTOサニテクノ、TOTOウォシュレットテクノ、TOTOバスクリエイト、TOTOハイリビング、TOTOアクアテクノ、TOTOファインセラミックス、TOTOプラテクノ、TOTOメンテナンス、TOTOアクアエンジ、TOTOエムテック、TOTO関西販売、TOTO中部販売、TOTO九州販売、TOTOファイナンス

連結子会社の表にはこのほか「その他16社」の記載があり、内訳は書かれていません。従業員の状況等(89〜90頁)の連結子会社の欄(常時雇用する労働者が101名以上の国内子会社)には、14社の多くのほか、TOTO東北販売、サンアクアTOTO、TOTOマテリア、TOTOインフォムも載っています。

TOTOグループの求人に応募するなら、私は年収の数字より先に、雇用契約を結ぶ法人名を聞きます。同じ「TOTO」と名の付く会社でも、781万円が当てはまるのはTOTO株式会社だけだからです。

年収の推移|2021年3月期の約670万円から781万円へ

表は2021年3月期から2026年3月期の6期分で、各期の有報の提出会社の欄の値です。金額は有報のとおり1円単位で、増減は編集部の算出です。

決算期 平均年間給与 平均年齢 平均勤続年数 従業員数(単体)
2021年3月 6,699,766円 43.5歳 16.7年 8,158名
2022年3月 7,104,616円 43.8歳 17.3年 7,984名
2023年3月 7,060,190円 44.3歳 18.1年 7,934名
2024年3月 7,299,226円 44.8歳 18.5年 7,876名
2025年3月 7,552,749円 45.1歳 18.8年 7,836名
2026年3月 7,812,740円 45.2歳 18.9年 7,758名

2021年3月期から2026年3月期までの5年で、+1,112,974円(約111万円、+16.6%)です(編集部の算出)。2023年3月期にわずかに下がった以外は上がり続けています。

注意点を1つ。 他サイトで「TOTOの平均年収は755万円」と書かれているのを見かけますが、それは2025年3月期の数字(7,552,749円)です。最新は781万円です。

この動き方をどう読むか

3つの数字を並べると、年収は上がり、勤続年数も伸び、従業員数だけが減っているという形になっています。

  • 平均年間給与:6,699,766円 → 7,812,740円(+1,112,974円)
  • 平均勤続年数:16.7年 → 18.9年(+2.2年)
  • 従業員数(単体):8,158名 → 7,758名(△400名)

ただし、従業員数の減少は採用人数を示す数字ではありません。有報に、採用人数の記載は見当たりません。

採用については、有報の事業等のリスク(26頁)に、「人財の獲得競争の激化」への対応として、「新卒採用に加え、ダイレクト・リクルーティングやリファラル採用等、さまざまな手法を積極的に展開し、高度専門人財含む経験者採用の強化に努めています」と書かれています。外から入る枠が広いか狭いかは、有報からは判断できません。応募する求人の人数と条件は、求人票で確かめてください。

連結ではもっとはっきり出ています。

決算期 連結従業員数
2022年3月 34,614名
2023年3月 34,152名
2024年3月 33,386名
2025年3月 32,968名
2026年3月 30,324名

4年で4,290名(12.4%)減。とくに直近1年(2026年3月期)で2,644名減っています。この点は後述します。

TOTOの提出会社の平均年間給与と従業員数が逆方向に推移していることを示すグラフ

TOTOの初任給|新卒採用ページの募集要項

有価証券報告書に、初任給の記載は見当たりません。初任給は、TOTO自身の新卒採用ページ(営業・企画職)の募集要項に載っています。

学歴区分 月給(2025年4月 初任給実績・東京勤務の場合)
修士了 29万7,000円
学部・高専専科卒 27万0,000円
高専本科卒 23万5,000円

上の金額は、2026年10月23日に編集部が新卒採用ページ(2027年度入社向けの募集要項)で確認したものです。職種や勤務地が変わると募集要項も変わるため、応募する職種のページで確かめてください。

同じ募集要項には、賞与は年2回(6月、12月)、昇給は年1回(6月)、福利厚生として社宅制度・退職金制度・持株会・保養所などが書かれています。賞与の月数や退職金の金額は、編集部が確認した範囲では見当たりません。

初任給は新卒の月給で、有報の781万円(平均年齢45.2歳、賞与と基準外賃金を含む)とは別の系列です。2つを引き算して、昇給でいくら増えるかを読むことはできません。

ここが本題|利益の54%を稼ぐのはトイレではない

年収を調べている人が見落としがちな、この会社のいちばん重要な事実です。2026年3月期のセグメント別実績を並べます。

事業 売上高 前期比 営業利益 前期比
グローバル住設事業 6,697億42百万円 -0.6% 279億21百万円 -9.7%
(うち日本住設事業) 4,796億63百万円 -0.3% 202億53百万円 -7.5%
セラミック事業(新領域) 674億14百万円 +34.0% 289億43百万円 +41.7%
全社の営業利益 — — 537億59百万円 +10.9%

読み取れることは1つです。

セラミック事業の営業利益289億43百万円は、全社営業利益537億59百万円の54%にあたります。 一方でこの事業の売上は674億円で、全社売上7,374億円の9.1%にすぎません。

さらに連結の従業員数で見ると、差はもっと極端になります。

事業 連結の従業員数 構成比
グローバル住設事業計 29,350人 96.8%
セラミック事業 880人 2.9%
その他 94人 0.3%
合計 30,324人 100%

※2026年3月31日現在(有報87頁の連結会社の状況)。構成比は編集部の算出。

連結の従業員の2.9%にあたるセラミック事業が、営業利益の54%を稼いでいる。 一方、従業員の96.8%が属するグローバル住設事業は、営業利益が9.7%の減益です。

セラミック事業の中身も有価証券報告書に明記されています(31頁)。

半導体デバイスメーカーの既設工場での稼働率向上に伴い交換需要が堅調に推移し、当社グループの半導体製造装置に採用されているセラミック製品の売上も前年に比べて拡大しました。(中略)当社は静電チャックを中心としたファインセラミックス技術の深耕と開発強化に注力しています。

つまり半導体製造装置向けの部材です。TOTOは「トイレの会社」として知られていますが、利益で見ると半導体材料メーカーの顔のほうが大きくなっています。

日本住設事業については、会社自身が課題を認めています(11頁、29頁)。日本住設事業の営業利益は-7.5%です。

各種コストアップなどの影響により営業利益が漸減傾向であることに対しては構造的課題と捉え

業績|2025年3月期に純利益が急減した理由

連結の主要指標を5期並べます。

決算期 売上高 経常利益 純利益 自己資本比率
2022年3月 645,273 56,870 40,131 63.2%
2023年3月 701,187 54,760 38,943 62.0%
2024年3月 702,284 51,515 37,196 63.6%
2025年3月 724,454 50,369 12,168 64.1%
2026年3月 737,441 60,689 40,257 63.8%

※単位は百万円(自己資本比率を除く)。純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。

2025年3月期だけ純利益が121億円と、前後の年の3分の1以下に落ちています。理由は、連結損益計算書の特別損失にあります。

2025年3月期の特別損失には、減損損失が340億92百万円計上されています(連結損益計算書、94頁)。有報の注記(108頁)は、その内容を次のように書いています。

中国大陸事業における想定以上の市場の急速な変化に伴う、事業用資産の収益性の低下により、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(34,092百万円)として特別損失に計上しています。

対象は、中国の南京市・漳州市・大連市の生産設備です(108頁)。この期の「事業再編費用」の欄は「-」で、事業再編費用は計上されていません。

事業再編費用が計上されたのは、翌期の2026年3月期です。連結損益計算書(94頁)の金額は151億76百万円です。注記(109頁)によると、東陶機器(北京)有限公司と東陶華東有限公司の閉鎖・会社清算を含む中国大陸事業の構造改革に伴う損失で、主な要因は従業員への経済補償金107億80百万円と、固定資産の減損損失28億73百万円です。

2026年3月期の純利益402億57百万円(前期比230.8%増)について、有報は次のように説明しています(29頁)。

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、中国大陸事業における事業再編費用や投資有価証券売却益等の特別損益を計上したことにより402億5千7百万円(前期比230.8%増)となりました

連結従業員が2026年3月期に2,644名減ったことについて、有報は、東陶機器(北京)有限公司と東陶華東有限公司の閉鎖・会社清算を含む中国大陸事業の構造改革を主な理由としています(87頁の注記)。同じ期に、提出会社(国内本体)の従業員数は7,836名から7,758名へ、78名の減少です(3頁)。4年間の連結従業員の減少4,290名のうち、2026年3月期以外の理由は、この記事では確認していません。

なお自己資本比率は5期を通じて62〜64%で、純利益が落ちた年も財務は揺らいでいません。 有価証券報告書の全文を検索しましたが、継続企業の前提に関する注記・重要事象等の記載は出てきません(「継続企業」の語は監査報告書の定型文にだけ出てきます)。

男女の賃金の差異は全労働者61.7%|781万円は男女込みの平均

有報の「従業員の状況等」は、平均年間給与とは別に、管理職に占める女性の割合、男性の育児休業取得率、男女の賃金の差異を載せています(89頁)。提出会社の欄は次のとおりです。

項目 提出会社(2025年4月1日〜2026年3月31日)
管理職に占める女性労働者の割合 22.4%(課長職相当以上。2026年4月1日時点)
男性労働者の育児休業取得率 95.9%(育児目的休暇の取得を含む)
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 61.7%
同(うち正規雇用労働者) 63.6%
同(うちパート・有期雇用労働者) 76.0%

賃金の差異は、男性の賃金を100としたときの女性の賃金の割合です(厚生労働省の算出方法。参考・出典)。会社は有報の注記で、この差異の理由を、年齢・社員資格・在籍年数・短時間勤務などの人員構成の違いによるものと説明しています。

781万円は、男性と女性を合わせた平均です。男女別の平均年間給与は、有報に記載が見当たりません。

この差異の数字だけでは、同じ職務・同じ資格での賃金差があるかどうかは分かりません。平均年収を自分に当てはめて読むときは、年齢・資格・勤続・性別の違いが混ざった平均だと理解しておく必要があります。

高卒・総合職・課長・35歳の年収は有報にあるか

編集部が確認した範囲では、有価証券報告書に従業員の学歴別・職種別・役職別・年齢別の給与の記載は見当たりません。知りたい年収ごとに、有報とTOTOの採用ページの状況を並べます。

知りたい年収 有価証券報告書 TOTOの採用ページ(編集部が開いた2ページの範囲)
高卒の年収 記載が見当たらない 新卒採用ページ(営業・企画職)の初任給は修士了・学部・高専専科卒・高専本科卒の3区分で、高卒の区分は載っていない
大卒・院卒の年収 記載が見当たらない 初任給のみ(前の章)
総合職・地域正社員の年収 記載が見当たらない 見当たらない
課長・部長など従業員の役職別の年収 記載が見当たらない(取締役の報酬は別に74〜78頁に記載あり) 見当たらない
20代・30代・35歳の年収 記載が見当たらない 見当たらない
従業員の賞与だけの金額 記載が見当たらない(取締役の賞与は別に76頁に記載あり) 年2回(6月、12月)の記載のみ。月数・金額は見当たらない
中途採用の年収 記載が見当たらない キャリア採用の求人ページ1件(財務・経理スタッフ)には、給与・賞与・想定年収の記載が見当たらない
子会社の年収 記載が見当たらない 見当たらない

※TOTOの採用ページの列は、編集部が2026年10月23日に開いた2ページ(新卒採用の営業・企画職の募集要項、キャリア採用の財務・経理スタッフの求人ページ)の範囲です。ほかのページは全件確認していません。

したがって当サイトでは、これらの推定値を書きません。他サイトに載っている学歴別・役職別・年齢別の金額は、出所と算出方法を確認できないため使いません。

初任給以外の給与は、応募する求人の求人票で確かめます。求人票の記載事項は法律で決まっており、賃金の額も含まれます(職業安定法5条の3第1項、および同条4項の委任を受けた職業安定法施行規則4条の2第3項5号)。ただし同号は賞与などを除いた賃金の額を定めているため、賞与は求人票に書かれていないことがあります。

キャリア採用の求人ページに給与の記載が見当たらない理由は、編集部には分かりません。このページに書かれていないことが、労働条件の明示義務に違反していることを意味するわけではありません。条件の提示を受けた段階で、給与の額と賞与の扱いを確かめてください。募集する側には、労働条件を明示する義務があります(職業安定法5条の3第1項)。

781万円について、有報から確実に言えるのは次の2点です。

  1. 平均年間給与781万2,740円は、平均年齢45.2歳・平均勤続18.9年の集団の平均であること
  2. 賞与と基準外賃金(残業代など)を含む金額であること

「年収1,000万円に届くか」という点についても、有報からは答えが出ません。781万円は平均値で、年収の分布(何割の人が1,000万円を超えるか)は有報に載っていません。従業員の役職別の給与も、有価証券報告書に記載が見当たりません。

「35歳でいくらか」という問いにも、有報は答えを持っていません。781万円は平均年齢45.2歳の集団の平均で、45歳の人の年収そのものではありません。

私が採用側で見ていたこと

採用する側として中途採用の面接を担当してきた立場から、この会社を受けるなら押さえたほうがいい点を1つ書きます。

「どの事業に配属されるか」を、選考の早い段階で確認してください。

連結の従業員の3%弱が営業利益の54%を稼ぐ会社では、事業によって社内の空気も、投資の優先順位も、キャリアの伸び方も変わります。伸びている事業と、会社自身が「構造的課題」と呼んでいる日本住設事業では、同じ会社にいても見える景色が違います。

面接で配属の話が曖昧なまま進む場合、それはまだ決まっていないか、聞かれたくないかのどちらかです。前者なら「決まっていない」と正直に答える会社のほうが健全です。求人票の「業務内容の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」の記載とあわせて確認してください。

TOTOへの転職が向く人・向かない人

向いている人

  • 半導体向けセラミックの領域に関われる人。 売上+34.0%・営業利益+41.7%で、社内でもっとも勢いのある事業です
  • 財務の堅い会社で長く働きたい人。 自己資本比率63.8%、平均勤続18.9年。腰を据えて働く前提の会社です
  • 業績連動での待遇改善を期待する人。 平均年収は5年で約111万円上がっています

積極的にはおすすめしない人

  • 配属先にこだわらず入る人。 事業間の勢いの差が大きく、どこに入るかで状況が変わります
  • 従業員数が増える局面を期待する人。 連結従業員は4年で4,290名減、単体も5年で400名減っています。採用人数は有報に記載が見当たらず、経験者採用の強化は事業等のリスクに書かれています
  • 日本住設事業で成長を求める人。 会社自身が日本住設事業の営業利益の「漸減傾向」を「構造的課題」と表現しています(営業利益-7.5%)

編集部の結論です。年収と財務だけで見れば、TOTOは検討する価値がある会社です。 平均781万円は2021年3月期から5回の決算のうち4回で前期を上回り(下がったのは2023年3月期)、財務も堅い。なお、同業他社との比較はこの記事では行っていません。

ただし「トイレの大手だから安定」という理解で入ると、実態とずれます。 いま利益を生んでいるのは半導体材料であり、主力の住設は減益局面です。この構造を理解したうえで、自分がどちら側に行くのかを確認してから判断してください。

応募前には、雇用契約を結ぶ法人名(TOTO株式会社か子会社か)、配属予定事業、賞与の業績連動の度合い、勤務地(本店は北九州市小倉北区)を確認してください。そのうえで、まず自分の市場価値を測っておくことをおすすめします。提示された条件が高いのか低いのかは、相場を知らないと判断できません。

同じ素材・住設まわりで比較するなら、日東紡はやばい?平均年収748万円と勤続15.8年で読む実態や日本電気硝子はやばい?赤字261億円からの復活と年収738万円もあわせて見ると、水準の位置づけがつかみやすくなります。

よくある質問

TOTOの平均年収はいくらですか

2026年3月期の有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は7,812,740円(前年比3.4%増)です。平均年齢45.2歳、平均勤続年数18.9年の集団の平均で、賞与と基準外賃金を含みます。対象は提出会社の就業人員7,758人で、連結30,324人の25.6%です(編集部の算出)。

TOTOの年収は低いですか

有価証券報告書の数字だけでは、低いとも高いとも言い切れません。2026年3月期の平均年間給与は7,812,740円(前年比3.4%増)で、平均年齢45.2歳・平均勤続年数18.9年の7,758人の平均です。2021年3月期の6,699,766円から上がっていますが、月給の水準と20代・30代の年収は有報に載っていないため、若い人の実感との差は有報からは確かめられません。他社と比べるときは、同じ系列(有報の提出会社の平均年間給与)どうしを、平均年齢とあわせて並べます。

TOTOの年収は755万円ではないのですか

755万円は2025年3月期の数字(7,552,749円)です。最新の2026年3月期は781万2,740円まで上がっています。年収を比較するときは、どの決算期の数字かを確認してください。

TOTOの初任給はいくらですか

TOTOの新卒採用ページでは、初任給実績(2025年4月・東京勤務の場合)は、学部・高専専科卒が月給27万0,000円です。修士了は29万7,000円、高専本科卒は23万5,000円です。これは営業・企画職の募集要項(2027年度入社向け)の記載で、有価証券報告書に初任給の記載は見当たりません。2026年10月23日に確認した内容なので、応募する職種のページで最新の金額を確かめてください。

TOTOのボーナスは年何回で、いくらですか

賞与は年2回(6月、12月)と、TOTOの新卒採用ページ(営業・企画職)の募集要項に書かれています。従業員の賞与だけの金額は、有価証券報告書では開示されていません。 公表されているのは賞与と基準外賃金を含んだ平均年間給与(781万2,740円)のみです(取締役の賞与は別に記載があります)。求人票の法定の明示事項は賞与などを除いた賃金の額なので(職業安定法施行規則4条の2第3項5号)、賞与の額は応募先に確認してください。

TOTOの高卒・大卒の年収はいくらですか

有価証券報告書に、高卒・大卒の年収の記載は見当たりません。TOTOの新卒採用ページ(営業・企画職)に載っているのは初任給で、学部・高専専科卒は月給27万0,000円、高専本科卒は23万5,000円、修士了は29万7,000円です。高卒の区分は載っていません。当サイトでは学歴別の年収の推定値を掲載していません。

TOTOの35歳・45歳の年収はいくらですか

有価証券報告書に年齢別の給与の記載は見当たらず、35歳の年収は分かりません。781万円は平均年齢45.2歳の集団の平均で、45歳の人の年収そのものではありません。年代別の金額を載せる他サイトの数字は、出所と算出方法を確認できないため使いません。

TOTOで年収1,000万円に届きますか

有価証券報告書からは判断できません。781万円は平均値で、年収の分布(何割の人が1,000万円を超えるか)や従業員の役職別の給与は、有報に載っていません。

TOTOの子会社・グループ会社の年収は781万円と同じですか

781万円は、子会社の社員の年収ではありません。有価証券報告書の平均年間給与は、提出会社=TOTO株式会社の就業人員7,758人の表の数字で、連結30,324人の25.6%です(編集部の算出)。TOTOエムテック、TOTOアクアエンジ、TOTOバスクリエイトなど、子会社ごとの平均年間給与は有報に記載が見当たりません。子会社の求人に応募する場合は、雇用契約を結ぶ法人名と、その求人票の賃金を確かめてください。

TOTOはリストラをしていますか

有価証券報告書の全文を検索しましたが、「希望退職」「早期退職」の語は出てきません。ただし、2026年3月期に中国大陸事業の構造改革に伴う事業再編費用151億76百万円を計上しており、そのうち従業員への経済補償金は107億80百万円です(連結損益計算書と注記)。連結従業員数は同じ期に2,644名減り、有報はその主な理由を、東陶機器(北京)有限公司と東陶華東有限公司の閉鎖・会社清算を含む構造改革としています。国内の提出会社の従業員数は同じ期に78名の減少です。

TOTOの将来性はどうですか

半導体製造装置向けのセラミック事業が売上+34.0%・営業利益+41.7%と伸びており、全社営業利益の54%を稼いでいます。一方で主力のグローバル住設事業は営業利益-9.7%で、そのうち日本住設事業(-7.5%)については会社自身が「構造的課題」と表現しています。成長の柱が入れ替わりつつある会社です。

まとめ

  • 2026年3月期の平均年間給与は7,812,740円(前年比+3.4%)。5年で約111万円(+16.6%)上昇(編集部の算出)
  • 781万円の対象は提出会社の就業人員7,758人で、連結30,324人の25.6%(編集部の算出)。子会社ごとの平均年間給与は有報に記載が見当たらない
  • 他サイトの「755万円」は2025年3月期の古い数字(7,552,749円)
  • 平均年齢45.2歳・平均勤続18.9年の集団の平均で、賞与・基準外賃金を含む
  • 初任給はTOTOの新卒採用ページに載っている(学部・高専専科卒は月給27万0,000円。2025年4月実績・東京勤務・営業企画職)
  • 年収↑・勤続↑・従業員↓。ただし従業員数の減少は採用人数を示さず、有報は経験者採用の強化に努めていると書いている
  • 売上9%・連結従業員の2.9%のセラミック事業が、営業利益の54%を稼いでいる
  • グローバル住設事業は営業利益-9.7%。日本住設事業(-7.5%)について、会社自身が「構造的課題」と表現
  • 2025年3月期の純利益急減は、中国大陸事業の減損損失340億92百万円が原因。2026年3月期には事業再編費用151億76百万円(うち経済補償金107億80百万円)を計上
  • 連結従業員は4年で4,290名減。2026年3月期の2,644名減の主な理由は、有報によると中国大陸事業の構造改革
  • 男女の賃金の差異は全労働者61.7%、管理職の女性比率は22.4%(提出会社)
  • 高卒・従業員の役職別・35歳の年収は有報に記載が見当たらない。当サイトは推定値を書かない

年収の金額だけで比べるより、どの事業に入るのかを確認するほうが、この会社については重要です。その前に、まず自分の市場価値を測っておいてください。

※本記事の有報の数値は、第160期有価証券報告書に基づきます(年収の推移・業績は2026年9月1日、従業員の状況・関係会社・連結損益計算書・初任給などは2026年10月23日に確認)。最新の情報は必ず公式のIR資料と採用情報でご確認ください。
※法令に関する記述は一般的な情報です。個別の労働条件の適否については、労働基準監督署・都道府県労働局・社会保険労務士などの専門家・公的機関にご確認ください。

どのサービスを使えばいいか決められないとき

このサイトはアフィリエイトで収益を得ています。読者がサービスに登録すると当サイトに報酬が発生します。だからこそ、登録を急かすことはしませんし、どの記事にも「登録しなくていい人」を書いています。

自分の状況だとどのサービスが合うのか判断がつかない場合は、無料の相談を受け付けています。相談内容をうかがったうえで、条件に合いそうな転職サービスをご案内します。

登録や応募を急かすことはしません。 「いま動かないほうがいい」と考えた場合はそう伝えます。

→ 無料転職相談はこちら

※当サイトは職業紹介事業者ではありません。求人の紹介・あっせんは行わず、転職サービスのご案内までを行います。


訂正履歴

  • 2026年10月23日|「業績|2025年3月期に純利益が急減した理由」:2025年3月期の純利益が急減した理由を「中国大陸事業における事業再編費用」とし、「事業再編費用…402億5千7百万円(前期比230.8%増)」の引用を2025年3月期の説明として載せていましたが誤りでした。「2025年3月期は中国大陸事業の減損損失340億92百万円が特別損失に計上された。引用は2026年3月期の説明で、事業再編費用151億76百万円は2026年3月期の計上」に改めました。理由:引用した説明は2026年3月期の純利益についてのもので、2025年3月期の連結損益計算書では事業再編費用は計上されていなかったため。
  • 2026年10月23日|「業績|2025年3月期に純利益が急減した理由」、「よくある質問」の「TOTOはリストラをしていますか」、「まとめ」:「連結従業員が直近1年で2,644名減っているのは、この再編と符合します」「提出会社(国内本体)の減少は400名」「国内の提出会社は同期間で400名弱の減少」「2025年3月期の中国大陸事業の再編が主因」としていましたが誤りでした。「連結2,644名減は2026年3月期の出来事で、有報は中国大陸事業の構造改革を主な理由としている。提出会社の直近1年の減少は78名(7,836名→7,758名)で、400名は5年間(8,158名→7,758名)の差」に改めました。理由:期が違っていたことと、5年間の差を直近1年の数字として並べていたため。
  • 2026年10月23日|「ここが本題|利益の54%を稼ぐのはトイレではない」、「私が採用側で見ていたこと」、「まとめ」:「社員の5.4%が、営業利益の54%を稼いでいる」としていましたが誤りでした。「連結の従業員の2.9%(880人÷30,324人)にあたるセラミック事業が、営業利益の54%を稼いでいる」に改めました。理由:5.4%は提出会社の従業員に占める割合(416人÷7,758人)、54%は連結の営業利益に占める割合で、母集団の違う数字を並べていたため。
  • 2026年10月23日|「ここが本題|利益の54%を稼ぐのはトイレではない」、「TOTOへの転職が向く人・向かない人」、「よくある質問」、「まとめ」:会社自身の「構造的課題」という表現を、「住設事業」(グローバル住設事業の営業利益-9.7%と並べた書き方)の課題として載せていましたが誤りでした。「日本住設事業(営業利益-7.5%)についての記述」に改めました。理由:有報の記述(11頁、29頁)は日本住設事業についてのものであったため。
  • 2026年10月23日|「年収の推移|2021年3月期の約670万円から781万円へ」(旧見出し「5期の推移|年収は上がり続けている」):表の「2021年3月期 669万円」「2024年3月期 729万円」、本文の「5年で+112万円(16.8%)」としていましたが誤りでした。「2021年3月期 6,699,766円」「2024年3月期 7,299,226円」「5年で+1,112,974円(約111万円、+16.6%)(編集部の算出)」に改めました。理由:万円未満を切り捨てた表の値と、原典の円単位の値を混ぜて差と割合を計算していたため。あわせて、見出しの「5期」は誤りで、表は2021年3月期〜2026年3月期の6期分でした。
  • 2026年10月23日|「年収の推移|2021年3月期の約670万円から781万円へ」(「この動き方をどう読むか」)、「TOTOへの転職が向く人・向かない人」:「新規の採用を絞りつつ、既存社員の待遇を上げている構図と読めます。会社としては効率が上がっていますが、外から入る枠は広くない」「採用枠は広くありません」としていましたが誤りでした。「従業員数の減少は採用人数を示す数字ではなく、有報に採用人数の記載は見当たらない。事業等のリスクには経験者採用の強化に努めているとの記載がある」に改めました。理由:根拠となる記載が有報になく、有報の事業等のリスク(26頁)の記載と逆の読み方だったため。
  • 2026年10月23日|「結論|年収は上がり続けている。ただし会社の中身が変わった」:「平均781万円は住宅設備メーカーとして高い水準で、5年連続に近いペースで上がっており」としていましたが誤りでした。「平均781万円は2021年3月期から5回の決算のうち4回で前期を上回り(下がったのは2023年3月期)」に改めました。あわせて、結論の表の「年収水準」の判定「◎」を「上昇」に改めました。理由:同業他社との比較を示していないのに「高い水準」「◎」と断定していたことと、2023年3月期に下がっているのに「5年連続に近い」としていたため。
  • 2026年10月23日|「高卒・総合職・課長・35歳の年収は有報にあるか」(旧見出し「学歴別・年齢別の年収について」):「高卒・大卒・院卒それぞれの年収も、20代・30代の年収も、一次情報としては存在しません」「役職ごとの給与レンジは公開されていません」としていましたが誤りでした。「有価証券報告書に記載が見当たりません(学歴区分ごとの初任給はTOTOの新卒採用ページに載っています)」「従業員の役職別の給与は有価証券報告書に記載が見当たりません」に改めました。理由:「存在しない」「公開されていない」と断定していましたが、実際にはTOTOの新卒採用ページに学歴区分ごとの初任給が載っており、有報以外の公表情報まで確認した断定ではなかったため。
  • 2026年10月23日|「平均年収は781万2,740円|有報の実額」:「この781万円は『45歳前後の社員を中心とした、管理職込み・残業代込みの平均』です。20代・30代の実感とはずれます」としていましたが、「この781万円は、平均年齢45.2歳・平均勤続18.9年の集団の平均で、賞与と基準外賃金を含みます。20代・30代の年収は有報に載っておらず、若い人の実感との差は有報からは確かめられません」に改めました。理由:管理職を含むことと、20代・30代の実感とのずれは、有報から確かめられない断定だったため。

参考・出典

著者紹介
コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
著者紹介
記事URLをコピーしました